カナダを原産地とするレッドシダーはヒノキ科の針葉樹で、ウエスタンレッドシダーと呼ばれることもあります。軽くて丈夫なことから、羽目板以外にもウッドデッキやウッドフェンス、柱や机などの用途にも使用されています。
ここでは、レッドシダーを使った羽目板の特徴を5つに分けてご紹介します。
【特徴1】比較的柾目が多く、濃淡のある色
レッドシダーはヒノキ科ですが、杉に似た真っすぐな木目であることから、杉の代用品として使われます。そのため、別名「米杉」と呼ばれます。また、レッドシダーは針葉樹で真っすぐに高く伸びていくため、長尺の材料がとれる、すなわち1本の木から継ぎ目のない長い板を作ることができます。
色合いは赤みを帯びた色から黄みを帯びた色まで、濃淡があることが特徴です。安定性がなく均一でないともいえますが、微妙な色の違いを活かすことで、味わいのある仕上がりになります。
【特徴2】香りが良く、安眠・防虫効果がある
見た目は杉に似ているレッドシダーですが、ヒノキ科特有の良い香りがします。この香りは「セドロール」と呼ばれる物質によるものです。
セドロールには、心拍数や血圧を低下させ、リラックス状態を示すアルファ波を増加させる働きがあるという研究結果が出ています。眠りに入る前にこの香りをかぐと安眠効果があるとされているため、レッドシダーの羽目板は特に寝室におすすめです。
また、レッドシダーの香りには虫除けの効果もあります。その防虫効果は非常に高く、ウッドチップなどの防虫グッズにも使用されているほどです。
なお、羽目板を張ってから年月が経過しても、レッドシダーの香りは消えません。レッドシダーを壁材として使用すれば、長い期間ヒノキの良い香りを楽しむことができます。
【特徴3】寸法安定性が高く、加工しやすい
木は湿気があると水分を吸い込んで膨張し、乾燥すると収縮します。どのくらい伸び縮みするかは木の種類によって異なりますが、収縮率が小さいほうが建築材料としては好まれます。それは収縮に伴って、木が反ったり、割れたりするためです。その点ではレッドシダーは密度が低く収縮率が小さいため、寸法安定性に優れています。
割れにくく加工がしやすいため、最近ではDIYの材料としても注目が集まっています。
【特徴4】断熱性が高い
レッドシダーには気乾比重が小さい、つまり軽くてやわらかいという特徴があります。気乾比重が小さいということは、空気を含んでいるということでもあります。低密度で空気を含んでいる木材は断熱効果が高いです。レッドシダーはこの2つの条件を満たしているため、コンクリートやレンガよりも高い断熱性能を持っています。冬であれば室内のあたたかい空気を逃がさないため暖房の使用を抑えることができますし、夏場は涼しく過ごすことができます。
【特徴5】自然の成分で耐久性に優れている
レッドシダーは、針葉樹の中でも最も高い耐久性があるといわれています。これはツヤプリシンやツヤ酸と呼ばれる成分が含まれているためです。この成分が含まれていることにより抗菌作用や防虫作用があり、腐りにくく虫にも食われにくいという性質も備えています。
レッドシダーがウッドデッキに使われるのは、このような点が屋外用途に適しているという理由もあるでしょう。ネイティブカナディアンのトーテムポールやカヌーにも使われるほどであることから、耐久性はお墨付きといえます。
おわりに
レッドシダーを使った羽目板の特徴をご紹介しました。レッドシダーに限ったことではありませんが、羽目板として使う上でのメリットもあればデメリットもあります。特徴をよく知って、レッドシダーの良さを活かした施工やメンテナンスをすれば、長くお付き合いできるお部屋になることでしょう。